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知っておくと自慢できる沖縄民謡の名曲5選

今さら言うまでもないですが、沖縄は民謡の宝庫。沖縄に旅行をすれば、必ずと言っていいほど沖縄民謡を耳にすると思います。でも実際のところ、どれくらい民謡を歌えますか? ウチナンチュー(沖縄出身の人)でも最近は民謡を歌えない若者が増えていると聞きます。いい歌がたくさんあるのに、知らないのはもったいない。そこで今回は、沖縄民謡の名曲をご紹介します。 ※ 末尾に沖縄民謡に関するアンケートがありますので、是非ご協力くださいませ。

時代と共に沖縄で歌われてきた沖縄民謡

沖縄民謡といっても、その種類は様々。何百年も前から歌い継がれてきた作者不詳の歌だけでなく、新作民謡も毎年のように発表されます。BEGINの“島人ぬ宝”やTHE BOOMの“島唄”など、沖縄を歌った代表曲は民謡のエッセンスを取り入れたポップスですが、その境界線をどこで線引きするのかは聴く人それぞれによって違うでしょう。例えば、喜納昌吉&チャンプルーズの大ヒット曲“ハイサイおじさん”などは、時の流れとともに、民謡と認知された代表的な一曲です。この柔軟な感覚こそ、沖縄民謡の懐の深さかもしれません。

そして、沖縄本島の他に、宮古島周辺の宮古民謡、八重山諸島(石垣島、竹富島、小浜島など)の八重山民謡、与那国島の与那国民謡と、島々によって言葉やメロディが違うのも面白いところ。また、民謡は庶民の間で生まれた歌ですが、琉球王朝の貴族の間で歌われていた古典音楽が、いつしか民謡として歌われるようになったものもあります。

こういった楽曲を身近に楽しむなら、民謡酒場へ行くのがいちばん。観光客も入りやすいショーアップされた店から、常連さんが集うディープなスポットまで、無数の民謡酒場が存在します。そんなお店に行けば、さらに沖縄民謡の奥深さを知ることが出来るはずです。

ここでは多様な沖縄民謡の中から、オススメの名曲を5曲ピックアップしてみました。定番から渋いところまで、いずれも沖縄らしさに満ちた歌ばかり。民謡酒場に行って一緒に歌えると、ちょっぴり自慢できるはず。ぜひとも、沖縄民謡の素晴らしき世界への扉を開いてみましょう。

1.安里屋ゆんた

 
竹富島で生まれた八重山民謡の名曲“安里屋ゆんた”。この曲は民謡酒場で聴かない日はありません。本来は、琉球王朝時代の美女、安里屋クヤマと彼女に惚れた役人との掛け合いを描写しているのですが、後に詞も曲も変化していき、現在のような形になりました。歌詞は知らなくても「サアー、ヨイヨイ」と合いの手を覚えておけば、十分楽しめるはず。八重山民謡の名人・大工哲弘の歌でどうぞ。


2.月ぬ美しゃ

 
同じく八重山民謡で、じっくりと聴かせるタイプの名曲“月ぬ美しゃ”。72年の沖縄返還直後には、NHK「みんなのうた」で放送されたこともあり、童謡のカテゴリに入れられることもしばしばあるようです。タイトルから想像できる通り、月の美しさを描いていますが、月の満ち欠けを女性に例えるなど詩的表現も見事。ここでは沖縄民謡界の巨匠・知名定男の歌声でお楽しみください。


3.ヨー加那よー

 
沖縄には昔から毛遊び(もうあしび)と呼ばれる野外での歌会(歌を互いに発表する会)があり、ここで男女の出会いがあったといいます。そういった集まりで歌われていたのが「遊び唄」と呼ばれますが、この“ヨー加那よー”もそんな恋愛をテーマにした一曲。戦後を代表する今は亡き沖縄民謡界の至宝・嘉手苅林昌から「コンビ唄はミサーに限る」と言わしめた歌姫・大城美佐子の歌声で、その声の表情を感じてみてください。


4.下千鳥

 
琉球舞踊のレパートリーとして有名な“浜千鳥”という曲がありますが、その曲をさらにゆったりとしたテンポで改作したのが、この“下千鳥”です。人生のせつなさややるせなさを表現した歌詞は、情け唄といってファンも多い楽曲。とにかくゆったりとした時間の流れを感じさせるメロディは絶品です。この動画は、北谷町出身の若き沖縄民謡唄者・松田一利のヴァージョンです。


5.ハリクヤマク

 
民謡酒場でのクライマックスは、やっぱりみんなで盛り上がるカチャーシー(テンポの速い沖縄民謡の演奏に合わせて踊られる踊り)。アップテンポのリズムに乗って、両手を掲げながら左右にゆらゆらさせる踊りは、沖縄に来たなら誰もが体験したことがあるはず。そんなカチャーシーがピッタリの“唐船ドーイ”や“豊年音頭”などの曲がいくつかありますが、この“ハリクヤマク”はちょっと通好みでしょうか。ポップスも歌える上間綾乃に盛り上げていただきましょう!


アンケート

ここでアンケートのお願いです。現在沖縄音楽創造機構では、沖縄県外の皆さんの沖縄の文化・芸術への興味を調査し、沖縄の文化・芸術をより多くの皆さんに楽しんでもらう方法を考えるためにアンケート「沖縄民謡意識調査2016」を実施しています。是非、ご協力くださいませ。

アンケートはこちらから
http://okinawa-music-forum.net/shimauta/research

アンケート実施期間:2016年9月〜2017年1月
本件に関するお問合せ:info@okinawa-music-forum.net(沖縄音楽創造機構 担当:鶴見)
支援:沖縄県、(公財)沖縄県文化振興会

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