Special - Interview

なぜ、MONGOL800は、沖縄でモンパチフェスを開催し続けるのか?

MONGOL800

すっかり沖縄のフェスをイメージ付けることとなったMONGOL800主催の「What a Wonderful World!!」。2009年にスタートし、隔年で行われてきたこのフェスも、今年で4回目を迎える。沖縄を代表するロック・バンドが手作り感覚で運営する通称“モンパチフェス”は、過去に台風被害などのアクシデントを経て進化してきた。ここでは、フェスを動かすMONGOL800から、儀間崇さん(ギター)と髙里悟さん(ドラムス)の二人に話を伺い、フェスの作り方や楽しみ方、そして間もなく行われる「What a Wonderful World!! 2016」について話を聞いた。

沖縄らしいフェスってなんだ!?

—第1回目の「What a Wonderful World!!」が2009年10月開催なんですが、そもそもこのフェスを始めたきっかけはなんだったんですか。

髙里:僕らは毎年県外のフェスに出演させてもらっていて、それぞれその土地の特色がいかされていて、面白いなあと感じていたんですよ。各地のフェスに参加しているうちに、「僕らも沖縄らしい色を出したフェスをやりたいなあ」とって思ったんです。いろんなフェスを通して、アーティストとの交友関係も広がっていたので、世代もジャンルも関係なくモンパチならではの、いろんなアーティストを呼べるんじゃないかって。

儀間:でも、沖縄県民に観てもらいたい、フェスを体験してもらいたいっていう気持ちが、やっぱり一番強かったかもしれないですね。

ー参考にしたフェスなどあるんですか?

儀間:各地にいいフェスがたくさんあるので、全部のいいとこ取りですね(笑)。沖縄にはキャンプができるイベントがそれまでなかったし、細かいところもじっくり考えました。トイレの数なんかも自分たちで決めたんですよ。あとは、楽屋のケータリングや翌日の予定なども含めて、アーティスト側のケアにも力を入れたり。

髙里:来てくれたアーティストが気持ちよく滞在してくれれば、お客さんにもそれが伝わるはずだからそこは重要ですね。あと、運営は大変ですけど、自分たちも少しでも関わって手作り感を出したいという意識はありました。

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—それまで沖縄でこういったフェスはなかったですもんね。

髙里:イベントはたくさんあるんですけど、いわゆるフェスって感じではないんですよね。これだけのアーティストを呼ぶのは初めてだったんじゃないですかね。普通にコンサートで沖縄に来ても、この値段で観られないでしょ。小田(和正)さんなんて、通常のコンサートのチケットの方が高いくらいだし(笑)。

草刈りから始まったモンパチフェス!?

—たしかに、1回目のインパクトは強かったですね。

髙里:あのときは1日だけだったんですけど、オールナイトなので不眠不休で頑張りました。みんなで朝日を拝もう! って感じで。でも、やっぱり1回目だから要領がつかめなくて大変でしたね。お客さんにも行き届かないところがあっただろうし。

—このときのラインナップは、当時かなり話題になりましたね。小田和正さんから、Dragon Ash、マキシマム ザ ホルモン、そして沖縄の古謝美佐子さんや与世山澄子さんまで並んでいましたから。

髙里:もともとは、キヨサクが「みんなで大きな飲み会しようぜ!」っていうイメージで始まったので、友達関係っていうのがポイントですね。大御所アーティストもインディーズバンドも、沖縄のミュージシャンもみんな同じステージに立つことが重要だったんです。

—準備にはどれくらい時間をかけたんですか?

髙里:構想から入れると、相当時間がかかっています。だって、草刈りからはじめましたから(笑)。何もない土地だったから、手作り感たっぷりでしたね。だから、終わった後は感動でした。

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—簡単に出来たフェスではなかったんですね。

儀間:反省点ももちろんいろいろありました。雨も降ったし、帰りのバスを何時間も待たせたし、道も相当渋滞していたし。でも、来場者や会場周辺の民家からも大きな苦情が来なかったし、好評だったと聞いて嬉しかったです。みんな楽しんでくれたのかなと。

いわゆるロックフェスをやっている訳ではない

—「What a Wonderful World!!」は、アーティスト側にも好評のようですね。

儀間:そうですね。みんな次も出たいっていって、スケジュールを空けてくれているんですよ。まだ頼んでもないのに(笑)。

髙里:嬉しいですよね。それだけ楽しかったということだと思いますから。でも、さすがにこれだけ大掛かりなフェスは毎年だときついので2年に一回というペースにすることにして、僕らが主催する「800だョ全員集合!!」という野外イベントと、それぞれ隔年で交互にやることにしました。

—そして2011年の2回目は、2日間開催に拡大されましたね。

髙里:さすがに1日に詰め込むのは僕らホスト側も辛かったし、お客さんもちょっとしんどいかなと思って、2日間に増やしたんです。あと、呼びたいアーティストも増えましたから。

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—いわゆる縦ノリのバンドに混じって、小田(和正)さんやスターダスト・レビューなんかが入ってくるのがモンパチらしさですね。

高里:それが僕らの強みかもしれない。自分たちの音楽自体、ひとつのジャンルに拘るというより、いろんなジャンルを取り込んでいきたいっていう気持ちがあるんです。あと、「沖縄トラッド」と題して、照喜名朝一さん、登川誠仁さん、大城美佐子さんという民謡の大御所にも出てもらったんですけど、これは地元の若者にも観せたいし、県外の人たちにも観てもらいたかった。あれは凄かったですね。他のフェスでは絶対に観ることの出来ない沖縄ならではのキャスティングだったと思います。

—いわゆるロックフェスじゃないですもんね。

高里:そう、僕らは音楽フェスをやっているんです。特に、この年は沖縄色が一番強かったですね、トップにオキナワンロックの大先輩である「紫」にも出てもらえたし。Charさんや奥田民生さんが、舞台袖で熱心に観ていましたからね(笑)。

何が起こるかわからないのが、フェスの良さ

—しかし、2013年の3回目には、台風直撃という事件が起こりました。

髙里:あのときは大変でしたね。結局中止になりましたが、その場で次の年に開催することを決めたんです。そしたら、アーティストの方々もスケジュールを調整してくれて、ありがたいことに翌年2014年ほぼ同じ出演アーティストでリベンジ開催をすることになるんですが……、なんとその時もまた台風が来たんですよね。なんとか暴風圏内は抜けたのですが、会場が海側ということもあり、かなりの強風の中、初日は1つのステージのみでタイムテーブルを変更して。それで2日目もアーティストの皆さんにも協力してもらって、いろいろ調整をして、なんとか全員に出演して頂くことができました。

—今年は第4回目となりますが、10月から11月にしたのは、やっぱり台風対策ですか?

髙里:そうですね。1ヶ月ずらしてみました。ただ天気だけはなんともいえないですね。

儀間:今回から場所も変わっているんですよ。読谷村から豊見城市の美らSUNビーチに。だから会場の規模観やサイズも変わるし、いろんなものを作り直していかないといけないですね。

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髙里:他にもイベントをやっている場所だから、イメージがわきやすいのはありがたいです。あと、交通の便がいいのがなにより。ただ、今年はキャンプサイトが作れなかったから、それは次回以降の課題ですね。

—今年は新しいアーティストもたくさん出演しますね。

髙里:そこは毎年心掛けています。常連組は当然いるんですけど、新しく呼びたいアーティストもまだまだいますから。スチャダラパーも初めてだし、意外に10-FEETも初出場なんですよ。あと、RIZEもWANIMAもそうですね。WANIMAは沖縄自体初ライヴかも!

—アーティストのラインナップの基準ってあるんですか? 

儀間:基準って事ではないのですが、モンパチ主催のフェスという事もあり、当初はバンド活動を通して出会った素晴らしいアーティストやメンバーとの繋がりのあるバンドをメインで考えてました。でも回を重ねるごとにいろんなアーティストから逆オファーを頂くようになって……、今は嬉しいと同時に皆さんに出演して頂けない状況が悩ましいですね。そこはもっと自由にいろんなアーティストに出演して頂けるようなフェスにしたいと思います。

髙里:モンパチ自体、フェスを通してつながったアーティストとのコラボが実現したり……。当日もいろんなサプライズがあるかもしれませんね! フェスはアーティスト同士の交流の場でもあるので、モンパチフェスでもいろいろ繋がってほしいですね。

モンパチメンバーも出店? 「What a Wonderful World!!」

—ちょうどMONGOL800としてはニュー・アルバム『Pretty good!!』も出たばかりですが、かなりストレートでライヴ感が溢れる作品ですね。

髙里:ファースト・アルバムのイメージで作ろうってことで、ハッピーで、ポジティヴな作品にしたくて……。前作の『People People』が、メッセージ性のあるストイックな作品になったので。キヨサク的にその反動もあったかもしれないですね。もちろん、ライヴで楽しめる楽曲揃いです!

—アーティストのラインナップ以外のこだわりはどこですか?

髙里:フードやケータリングにはこだわっていますね。知り合いのお店にいっぱい出てもらって。あと、僕も出店しますよ(笑)。去年はそば屋をやったんですが、今年はまた違った食べ物に挑戦しようかなといろいろ考えています。サッシ(髙里悟)プロデュース楽しみにしててください!

儀間:今年は今まで以上に呼びたいお店を呼べて、充実しているかもしれない。フード村みたいになると思います。

—会場内のデコレーションも拘っているんですよね?

儀間:去年は大きめのフラッグをたくさん作ったんですよ。「ハブ注意」っていう看板も自分で作りました(笑)。今年はそういった手書きの看板をさらに充実させようかなって思っています。毎回使い回せるものをしっかり作っていこうと思っています。今年から、デコレーションのチームを作って準備しているんです。きっと、自分も開催日ぎりぎりまでデコ製作をやってると思います。会場内のデコレーションでも十分楽しめるようにしたいですね。

髙里:あと、沖縄ファミリーマート、沖縄ポッカとのコラボ商品で「モンぴん茶」を販売しています。そのパッケージラベルも崇が描いているんですよ。

—本当にメンバー自身が手作りで作り上げているフェスなんですね。最後に、今年の「What a Wonderful World!!」について一言お願いします。

儀間:とにかく、フェスの隅から隅までメンバーの気持ちが入りまくっているので、ぜひじっくりと楽しんでもらいたいです。

髙里:あとは、沖縄ならではの空気感でしょうかね。適度に涼しくていい時期だと思いますよ。空港や那覇からの交通の便もいいし。だから、音楽もそうだけど、沖縄自体を満喫してもらいたいですね。

MONGOL800

Event

MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!! 16
開催日
2016年11月05日〜2016年11月06日
開催時間
開場11:00 / 開演13:00
チケット(入場料)
前売1日券7,800円 / 前売2日通し券15,000円
主催
What a Wonderful World!! 16 実行員会
イベント会場
豊崎美らSUNビーチ特設会場
イベント会場住所
沖縄県豊見城市豊崎5
問い合わせ
098-898-1331 (平日10:00-18:00)
イベントURL
http://www800.asia/2016/
チケット購入方法1
イープラス
チケット購入方法2
PM-Ticket
MONGOL800
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Profile

MONGOL800

メンバーは、上江洌 清作 (ウエズ キヨサク)(Ba&Vo) 、儀間 崇 (ギマ タカシ)(Gt&Vo)、髙里 悟 (タカザト サトシ)(Dr&Vo)。
1998年夏、高校在学中に現在のメンバーにより結成。沖縄出身・在住。2001年9月リリース2ndアルバム「MESSAGE」はインディーズアルバム史上初となるオリコンチャート1位を獲得。生まれ育ち現在も生活の拠点である沖縄から発信する自然体の言葉、平和を願うメッセージが多くの人々の共感を呼びが、世代を超え熱い支持を得ている。
以来、アルバムリリース、全国ツアーや離島ツアー、数々の大型フェスへの出演などを勢力的に行うかたわら、世代・ジャンルを超えたアーティストとのコラボや楽曲提供、そして地元沖縄で自主企画の野外フェスを開催。 近年は海外、主にアジア諸国での音楽活動も視野に入れ、バンドシーンの中でも唯一無二のスタンスで、独自の音楽活動を展開している。
2016年9月28日通算8枚目となるオリジナルアルバム「Pretty good!!」発売。 今年4回目となるMONGOL800主宰野外フェス『What a Wonderful World!!16』を、11/5(土)・11/6(日)、沖縄・豊崎 美らSUNビーチ特設会場にて開催する!!
MONGOL800オフィシャルウェブ

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