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沖縄音楽に影響を受けた“非”沖縄音楽10選

沖縄の音楽は、地元の音楽家だけでなく、本土や国外のミュージシャンをも魅了してきました。もちろん、沖縄音楽をオリジナルのまま歌って演奏するものもありますが、そのテイストをうまく取り込んだ名曲も存在します。例えば、大ヒットを記録したTHE BOOMの“島唄”などは、その最高峰といってもいいでしょう。
今回は、そんな沖縄の魅力的なメロディやサウンドを活かした、“非”沖縄音楽を10曲集めてみました。時代やジャンル、国籍さえもバラバラですが、ぜひこういった曲からも沖縄の魅力を感じ取ってもらえればと思います。

細野晴臣“ルーチュー・ガンボ“(1976年)

 
沖縄音楽を本格的に日本のロックやポップスに取り入れたパイオニアは、なんといっても細野晴臣でしょう。傑作アルバム『泰安洋行』に収録されたこの曲は、ガンボという言葉が入っている通りニューオーリンズ・テイストに、ウチナーグチ(沖縄言葉)の歌詞も含めてほどよく沖縄らしさをミックス。川田禮子率いる川田琉球舞踊団が、艶やかなコーラスで参加しています。


ふきのとう“ここは沖縄“(1978年)

 
北海道出身のフォーク・グループ、ふきのとうは、なぜか沖縄で人気が高く、この11枚目のシングルは沖縄限定でリリースされて話題になりました。メンバーの山木康世が作曲したメロディは沖縄民謡を意識していますが、ウクレレやスライドギターが入っているので、どちらかというとハワイアンに近く、なぜかスイス民謡であるヨーデル風のフレーズも出てくる不思議な魅力のある一曲です。


坂本龍一“Neo Geo“(1987年)

 
細野晴臣が先駆者だとしたら、坂本龍一さらに沖縄音楽を世に広めた伝道者といっていいかもしれません。ラテン・パーカションを多用した黒人音楽であるゴーゴーとインドネシアのバリ島で行われる合唱・ケチャと沖縄音楽をミックスするというコンセプトのこの曲は、沖縄のわらべ唄“耳切坊主(みみちりぼうじ)”が引用されています。ちなみに、このライヴ映像に参加しているコーラスは、ワールドツアーのメンバーだったオキナワチャンズ(古謝美佐子、我如古より子、玉城一美)です。


ライ・クーダー“Going Back To Okinawa”(1987年)

 
1980年に発表された喜納昌吉&チャンプルーズのアルバム『Blood Line』には、アメリカのミュージシャン、ライ・クーダーが参加して大きな話題になりましたが、その後、自身が沖縄をテーマに書いた楽曲がアルバム『Get Rhythm』に収録されました。基本的にシャッフル風のリズム&ブルースで沖縄色はそれほど出てはいないですが、どこか「ハイサイおじさん」に通じる雰囲気があるのが面白いところ。


タルヴィン・シン“OK”(1998年)

 
英国生まれのインド系移民であるタルヴィン・シン。プロデューサー、作曲家、タブラ奏者として、ビョークやマドンナと共演したことでも知られています。そんな彼が初めて発表したソロ・アルバム『OK』は、当時の最新のダンス・ミュージックに世界中のエスニックなエッセンスが加わった傑作と知られ、なかでもタイトル曲“OK”は、坂本龍一やネーネーズが参加して世界的に話題になりました。


安室奈美恵“NEVER END”(2000年)

 
小室哲哉が沖縄音楽を取り入れたという意味では貴重な1曲なのが、安室奈美恵の“NEVER END”。沖縄音楽を取り入れたといっても、イントロに顕著に表れているだけで、あとは王道の小室メロディといってもいいでしょう。オリジナルのレコーディング・ヴァージョンには、知名定男、ネーネーズ、比嘉慶子などが参加していました。


Berryz工房“ピリリと行こう!”(2004年)

 
小室哲哉とともに一時代を築いたつんく♂(シャ乱Q)にも、沖縄テイストの楽曲があります。この曲は、ハロー!プロジェクト所属のアイドル・グループ、Berryz工房による3枚目のシングル。ダンサブルなビートと、三線の音色やにぎやかなお囃子などがミックスされ、アイドルの王道とでもいうべき元気いっぱいのナンバーに仕上がっています。


サザンオールスターズ“神の島遥か国”(2005年)

 
サザンオールスターズも沖縄音楽を取り入れていたのは意外かもしれませんが、桑田佳祐お得意のニューオーリンズ・サウンドに、琉球テイストかまりうまくハマった好例が“神の島遥か国”。石垣島に旅行したことをヒントに歌詞を書いたそうで、泡盛やオリオンビールなどが登場するのもユニーク。ここで三線を弾いているのはBEGINの島袋優。アルバム『キラーストリート』に収められています。


角松敏生“かなし花”(2006年)

 
ジャパニーズ・シティ・ポップのベテランである角松敏生は、古くから沖縄音楽に傾倒してきたことでも知られます。1989年には“OKINAWA”というシングルも発表しており、2002年のアルバム『INCARNATIO』はアイヌから宮古島までを縦断するような傑作となっております。“かなし花”はアルバム『Player』収録曲で、新良幸人や千秋(しゃかり)などが参加しています。


BUCK-TICK“Memento mori”(2009年)

 
1985年に結成されて以来、一線を走り続けている重鎮ロックバンドのBUCK-TICK。ダークなイメージの強い彼らですが、2009年のアルバム『memento mori』のタイトル・トラックには琉球音階が取り入れられていました。エイサーに通じるアッパーで祝祭的な雰囲気はかなり異色ですが、ライヴでは盛り上がる人気曲になっています。


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